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RTB(Reason to Believe)とは?マーケティングで信頼を得るための必須要素を解説

RTB(Reason to Believe)とは?マーケティングで信頼を得るための必須要素を解説

どれほど魅力的なベネフィットを訴えても、「なぜそれが信じられるのか」という根拠がなければ、顧客は行動に移しません

そこで重要になるのが、マーケティングにおける「RTB(Reason to Believe)」です。

RTBとは、ブランドや商品が掲げる価値に信憑性を持たせる理由・証拠のこと。競合と差別化し、ベネフィットの裏付けを伝えることで、顧客の「納得」と「信頼」を生み出します。

本記事では、RTBの定義や位置付け、Who/Whatとの関係性、設計手法、よくある失敗、成功事例までを、マーケティング戦略の流れに沿って詳しく解説します。

RTBとは何か?マーケティングにおける意味と役割

RTB(Reason to Believe)とは、ベネフィットの「信頼できる理由」を示す要素のことです。商品やサービスの価値が本当に信じられるかどうかは、このRTBの設計にかかっています。

RTB(Reason to Believe)の定義

RTBとは、ブランドや商品が伝えるベネフィット(価値)に対して、「それが本当に実現できる」と信じてもらうための根拠や証拠を意味します。例えば、「肌にやさしい」というベネフィットがあるなら、「アレルギーテスト済み」「皮膚科医監修」などがRTBに該当します。

マーケティングやブランディングの現場では、ベネフィットだけでなく、その信憑性をどう裏付けるかが、顧客の行動を大きく左右するのです。

Who/Whatとの関係性(マーケティング構造の中での位置付け)

RTBは、マーケティング戦略の基本構造「Who(誰に)」「What(何を)」の下支えに位置づけられます。

 ・ Who:誰に対して価値を提供するか(ペルソナ設計)
 ・ What:どんなベネフィットを伝えるか(価値訴求)
 ・ RTB:なぜそれを信じてよいのか(根拠の提示)

この3つが揃ってはじめて、一貫性のある説得力あるマーケティングが成立します。

株式会社Oz link「マーケティング戦略と施策の立案」

※マーケティングコンサルタント株式会社Oz link「マーケティング戦略と施策の立案」より 

なぜRTBがブランドや広告に不可欠なのか?

顧客は日々膨大な広告や情報にさらされており、その中で、「信じられるかどうか」が選ばれるブランドの分かれ道になります。

RTBが欠けていると、メッセージが「よくある主張」や「根拠のないアピール」に見えてしまい、購買意欲を高めることができません。

逆に、信頼できるRTBがあることで、

 ・ 選ばれる理由が明確になる
 ・ 価格競争に巻き込まれにくくなる
 ・ ブランドへの信頼・共感が高まる

といった効果が期待できるのです。

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RTBが機能するマーケティング構造

RTBが機能するマーケティング構造

RTBは、単に「つけ足す要素」ではなく、ブランドの信頼性を支える構造的な要素です。ベネフィットを魅力的に伝えるだけでは不十分であり、それを信じる根拠があるかどうかで、成果に大きな差が生まれます。

「信頼される理由」があるかどうかが差別化の鍵

競合が類似のベネフィットを訴求するなかで、どれだけ確かな裏付けを持っているかが、選ばれる決め手になります。

例えばスキンケアアイテムにおいて「保湿力が高い」と言っても、

 ・ あるブランドは感覚的に主張しているだけ
 ・ 一方で別のブランドは「高保湿成分のヒト型セラミドを高濃度配合」と具体的に証明している

この違いが「なんとなく良さそう」から「これなら信じられる」への転換を生み、最終的なCV(コンバージョン)にも直結するのです。

ベネフィット(What)を支える裏付けとしてのRTB

RTBはWhat(顧客への約束)を信頼に変える構造的支柱です。どんなに優れた価値を語っても、それを実現できるかどうかが担保されていなければ意味を持ちません。

■例
 ・ What:「初心者でも簡単に使えるツール」
 ・ RTB:「UI/UXの専門チームが設計」「500社以上の導入実績」

このように、【価値 → 証拠】という流れがあることで、顧客の納得が生まれやすくなります。

LTV・CVR・NPSへの影響とブランディング効果

RTBがしっかり機能すると、短期・中長期ともに指標改善が見込まれます。

 ・ CVR(コンバージョン率)向上:訴求に納得性が生まれる
 ・ LTV(顧客生涯価値)向上:継続利用や再購入を支える信頼の獲得
 ・ NPS(推奨度)向上:共感・信頼に基づくブランド推薦が増える

つまり、RTBは単なるクリエイティブ要素ではなく、戦略・成果に影響するマーケティングの中核なのです。

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RTBの具体的な例と作り方

RTBの具体的な例と作り方

RTB(Reason to Believe)は抽象的な概念に見えて、実はさまざまな具体例とパターンがあります。

ここでは、RTBの代表的なタイプと、それをどのように設計するかのステップを解説します。

RTBのパターン①:実績・証拠・データ

最もわかりやすく信頼されやすいRTBは、客観的な数字や実績です。以下のようなものが該当します。

 ・ 「導入企業1,000社以上」
 ・ 「顧客満足度96%」
 ・ 「楽天ランキング1位獲得」

過去の成果や事実をもとにした証明は、説得力が高く、信頼構築に直結します。

ただし、データの根拠(出典)や更新の有無にも注意が必要です。

RTBのパターン②:技術・品質・専門性

数値だけでなく、「中身の強さ」を証明するのもRTBのひとつです。

 ・ 「20年の研究で開発した独自処方」
 ・ 「全商品、国内の自社工場で製造」
 ・ 「臨床試験データに基づく設計」

このような製品やサービス自体の信頼性を支える根拠は、特にBtoB・医療・美容・教育などの分野で有効です。

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RTBの設計ステップ(誰に・何を・なぜ信じてもらうか)

RTBは単体で考えるのではなく、「誰に、何を伝えたいか」に基づいて設計することが重要です。

 1.Who:誰に向けたメッセージか?
    → 例)敏感肌に悩む20代女性

 2.What:どんな価値を提供したいのか?
    → 例)「肌に優しいスキンケア」

 3.RTB:なぜその価値が信じられるのか?
    → 例)「皮膚科医と共同開発/低刺激テスト済み」

このように、戦略の流れに沿って設計すれば、納得性のある訴求が可能になります。

RTBが弱いとどうなる?よくある失敗と注意点

RTBが弱いとどうなる?よくある失敗と注意点

RTBの強さは、ブランドの信頼に直結します。どれだけ魅力的なベネフィットを提示していても、RTBが弱ければ、「なんとなく怪しい」「よくある話」に終わってしまう危険性があるのです。

「根拠なきベネフィット」のリスク

「高品質」「おいしい」「安心・安全」といった言葉はよく使われますが、それをどう証明するのかが抜け落ちているケースが多く見られます。

こうした曖昧な表現だけでは、他社との差別化ができず、価格勝負に陥る原因にもなるのです。顧客の視点では、「みんなそう言っている」としか見えません。

信頼性が低下するケース(安易な数字・権威づけ)

逆に、RTBを意識しすぎるあまり、不自然なデータや根拠不明な権威付けを使うと、逆効果になる場合もあります。

 ・ 根拠のない「○○満足度No.1」
 ・ 出典が不明なデータ
 ・ 関連性の薄い有名人とのコラボ実績

こうしたRTBは、一見効果的でも、顧客のリテラシーが高い場合は逆に不信感を招くことがあるため注意が必要です。

RTBが競合と差別化する最大要因になる理由

RTBが明確で説得力のあるブランドは、選ばれる理由が明確になります。特に、似たようなサービスが溢れる市場では、RTBが「選択の決め手」として機能します。

例えば
 ・ 「専門家が開発」と言うだけのA社
 ・ 「臨床データと500人のモニター結果を開示している」B社

この違いが、「なんとなく良さそう」から「信頼して買う」への転換を生むのです。

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RTB活用の成功事例

RTBは抽象的な概念に見えて、実はブランド成長の鍵となる実践的な手法です。

以下では、弊社Oz link(株式会社オズ・リンク)が支援してきたプロジェクトを中心に、RTBが売上や信頼構築に寄与した具体事例を紹介します。

VINTORTE:敏感肌特化+成分根拠で信頼性を確保

VINTORTE|コア顧客の価値観から導いた統一施策でCVR改善

[VINTORTE] ブランド戦略構築

VINTORTE(ヴァントルテ)は、敏感肌向けスキンケアブランドとして、「肌に優しい」というベネフィットを訴求していましたが、競合と差別化するにはRTBの強化が必要でした。

 ・ RTB設計:皮膚科医監修、アレルギーテスト済、国内製造100%など
 ・ ECサイトやパッケージ、SNSでも一貫して訴求
 ・ 結果:LTV向上・再購入率アップ・顧客満足度の可視化に成功

「やさしい」は誰でも言える中で、「なぜそう言えるのか」を証明する設計がブランドの信頼を築きました。

_NEUR:SNS時代の共感に「開発背景」を添えた設計

_NEUR|感情導線と生活シーンから設計した共感ブランド

[_NEUR] ブランド戦略構築

D2Cスキンケアブランド「_NEUR」(アンダーノイル)では、感情訴求を軸にしながら、開発背景や原料へのこだわりを丁寧に言語化することでRTBを構築しました。

 ・ RTB設計:開発メンバーの専門性、環境負荷の低い製造プロセス、原材料の明示
 ・ ストーリーテリング×成分の根拠による共感設計
 ・ 結果:UGC2万件超/LTV前年比150%/SNSからのCVR改善

単なるエモーショナルなブランディングではなく、“共感+根拠”で信頼を高めた好例です。

まとめ|RTBは「説得」ではなく「納得」を生む仕組み

RTBは「説得」ではなく「納得」を生む仕組み

RTB(Reason to Believe)は、ベネフィットの裏付けとして、顧客の「納得」と「信頼」を生み出すための必須要素です。言い換えれば、「信じられる理由があるかどうか」が、マーケティング成果の成否を分けます。

RTBはデータや実績だけに限らず、開発背景・品質のこだわり・ストーリーといった「共感を伴う根拠」も含まれます。顧客の視点に立って、「なぜ自分にとって信頼できるのか」を言語化できるかが鍵になるのです。

【ターゲット(Who)】【価値訴求(What)】【信頼の根拠(RTB)】は三位一体で設計すべきものであり、いずれかが欠けると訴求が薄まり、購買・指名・リピートに結びつきません。

RTBは、戦略とクリエイティブをつなぐ中核要素として設計することが求められるのです。

Oz linkでは、ブランドのWho/What/RTBを明確に整理し、それに基づくコピー・デザイン・チャネル設計までを一貫して支援します。

「ベネフィットが伝わらない」、「信頼のあるメッセージ設計ができない」――こうした課題をお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。「信じてもらえるブランド設計」をご一緒に構築いたします。

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Oz link 編集部

デジタル戦略を中心にクライアントを成功へ導くマーケティングコンサルティングエージェンシー株式会社Oz link(オズ・リンク)。顧客起点の科学的マーケティングを一気通貫で支援することで、企業の持続的な成長を実現します。ブランディングやマーケティング全般、プロモーションや営業活動における課題解決をサポートします。まずはお気軽にご相談ください。

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