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なぜベンチャー企業にブランディングが必要なのか?戦略と実行のポイントを解説
資金調達や採用、プロダクトの認知拡大など、複数の課題を同時に抱えるベンチャー企業にとって、ブランディングは後回しにされがちな領域です。
しかし、立ち上げ初期から明確なブランド戦略を持ち、顧客や市場に「選ばれる理由」を発信できている企業ほど、採用や営業、投資家対応などあらゆる面で成果を出しています。
そこで本記事では、ベンチャー企業におけるブランディングの必要性から、戦略設計・実行ステップ、そして成功事例までを解説。弊社Oz link(株式会社オズ・リンク)のマーケティング視点も交えながら、再現性あるブランドづくりの方法をお届けします。
Contents
ベンチャー企業におけるブランディングの重要性
スピード重視の経営が求められるベンチャーこそ、初期段階で明確なブランドの軸を持つことが、あらゆる成長活動の「下支え」となります。ここではその理由を3つの観点から解説します。
市場で「違い」を伝える武器としてのブランド
ベンチャーが競合ひしめく市場で生き残るには、「何をやっている会社か」ではなく、「なぜその価値を届けるのか」を語れるブランドが必要です。
ブランドは、機能や価格では埋もれてしまうプロダクトに、独自の文脈や意味を与える存在になります。競争優位を築くには、技術やアイデアだけでなく「想起される力」が欠かせないのです。
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採用・資金調達・営業への波及効果
ブランディングはマーケティング活動にとどまらず、採用や資金調達、営業活動にも大きな影響を及ぼします。
・ 採用:共感を呼ぶビジョンに人材が集まる
・ 資金調達:世界観の一貫性が投資家の意思決定を後押し
・ 営業:初回接触時の信頼形成がスムーズ
このようにブランドは対外的な信用のインフラとして機能します。
フェーズごとに変わるブランドの役割
ベンチャーのブランド戦略は、プロダクトローンチ前後、PMF達成後、シリーズ資金調達後など、フェーズごとに再設計が必要です。
・ 初期:Whyとビジョンに基づく共感設計
・ 拡大期:ポジショニング明確化と顧客像の言語化
・ 成熟期:事業拡張に伴う再定義と一貫性維持
どのフェーズでも「らしさ」の芯を保ちつつ、柔軟に展開していくことが強いブランドの共通点です。
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ベンチャー企業が直面するブランディングの課題
ベンチャー企業においてブランディングの重要性は理解されつつも、現場での実行には具体的な障壁が存在します。
ここでは、よくある3つの課題を整理します。
時間もリソースも足りない中での戦略設計
事業開発・営業・採用など、目の前の業務に追われる中で、ブランディングに割ける時間や人材が限られているのが現実です。
戦略を立てても、ロゴやトンマナの制作で止まってしまい、社内外に浸透しないまま形骸化するケースも少なくありません。
「とりあえずかっこいいだけ」のブランディング失敗例
流行のデザインや言葉を用いたスタイリッシュなブランドに見えても、顧客や社員が共感できないブランディングは空回りします。
特にBtoB領域では、「中身とズレた表層的な印象」が逆効果になることもあります。
自社の価値や世界観が言語化されていないまま外見だけ整えるブランディングは、成長のブレーキになりかねません。
再現性あるブランドづくりが難しい理由
ブランドづくりを感覚や個人に依存すると、担当者が変わるごとに方向性が揺れたり、成長フェーズで崩れたりするリスクがあります。
組織としてブランディングを育てるには、
・ 戦略設計(Who/What/RTB)
・ ビジョンや価値の明文化
・ タッチポイントの統一
といった、構造化されたプロセスが不可欠なのです。
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成功するベンチャーブランディングのステップ
ベンチャーにおけるブランディングは、感覚やセンスだけでは再現性を持たせることができません。
限られたリソースの中でも成果を上げるには、【戦略 → 設計 → 実行 → 改善】のサイクルを一貫して構築することが重要です。
WHO/WHAT/RTBから始める顧客起点設計(Oz link視点)
弊社Oz link(株式会社オズ・リンク)では、すべてのブランド戦略を「顧客起点」で設計します。
・ WHO:自社が届けたい相手は誰か(セグメント・ペルソナ)
・ WHAT:その顧客にとっての提供価値は何か(ベネフィット)
・ RTB:その価値に信頼を持たせる根拠は何か(理由・実績・技術)
この3点を明確化することで、戦略にブレのないブランドの軸を築くことができるのです。
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『【2025年版】デジタルマーケティングコンサルならOz link|戦略設計から実行・改善まで一気通貫で支援』
言語・デザイン・体験の一貫性を担保する
戦略を形に落とし込む際、ブランドは「目に見えるもの」だけではなく、接点全体で体験されるものです。
・ WebサイトやLP、SNSの表現トーン
・ 営業資料やプレスリリースの言語
・ オフィス空間やイベントの設計
これらが統一されてはじめて、顧客の記憶に残るブランドとなります。タッチポイントごとに一貫性があるかの見直しが必須です。
KPI設計とPDCAによるブランド育成の考え方
ブランディングもマーケティングと同様に、仮説検証と改善を繰り返す必要があります。
・ 指名検索の増加やSNS反応などの定量指標
・ NPSやブランドリフト調査などの定性指標
・ 改善アクションを実行できる体制と運用フロー
「つくって終わり」ではなく、検証可能なKPIを設計し、継続的に育てていく発想が成功の鍵となるのです。
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ブランディング成功事例|成長を加速させた企業様
ここでは、Oz link(株式会社オズ・リンク)が実際に支援したブランディング事例をご紹介します。
D2Cや地方発ブランドなど、多様な事業フェーズにおける成功パターンをご覧ください。
D2C「_NEUR」:情緒と共感を軸にしたブランド設計
敏感肌向け高価格帯スキンケアブランド「_NEUR」は、SNS時代において「映える」だけでなく「共感される」ブランドを設計することに成功しました。
・ コンセプト×情緒×共感を軸にブランド体験を設計
・ SNSで3年間で2万件以上のUGC(ユーザー生成コンテンツ)を創出
・ LTV(顧客生涯価値)が前年比150%超と大幅に向上
デザインと戦略が連動することで、ブランドの世界観が生活の中に浸透しました。
VINTORTE:ブランド再定義でLTVと信頼を同時に向上
京都発の敏感肌向けスキンケアブランド「VINTORTE」は、コロナ禍での市場低迷と競合増加という状況下でも、ブランディングの再構築により顧客との関係性を強化しました。
・ PEST・SWOT・インタビューに基づくブランド再設計
・ 感性訴求×共感導線に切り替えたクリエイティブ設計
・ 売上120%回復、既存顧客の離脱率も大幅に改善
信頼重視の領域において、情緒と機能のバランス設計が成果に結びついた好例です。
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『【保存版】マーケティング戦略フレームワーク12選|STP・4P・SWOTを実務で使いこなす方法』
『マーケティングの4Pとは?意味・4Cとの違い・事例・活用方までわかりやすく解説』
『3C分析とは?マーケティング戦略への活かし方とPEST・SWOTとの違いを徹底解説』
その他:ペルソナ設計〜運用改善までを支援したケース
BtoB、医療、教育、ジムなど、様々な業界でブランド戦略から設計・運用までを支援してきました。
・ 採用ブランディングでエントリー数3倍を達成
・ 営業資料・LPの刷新によりリード獲得数が2.5倍に
・ ブランド再構築でユーザー離脱率が大幅に改善
共通するのは、戦略設計と実行フェーズを分断せず、一貫支援していることです。
まとめ|ベンチャーこそ、初期フェーズからのブランディングが鍵
ベンチャー企業においては、プロダクトの完成度や営業力だけでなく、「なぜこの会社が存在するのか」を語れる力が、採用・資金調達・営業すべてに影響します。その軸となるのがブランディングです。
ブランディングは表層的なロゴやデザインの話ではなく、戦略・設計・体験の一貫性を持ち、社内外に価値を伝える仕組みです。
特に成長フェーズが早いベンチャーこそ、早期にブランドを定義しておくことで、事業の拡張やメンバーの増加に伴うブレを防ぎ、長期的な信頼と選ばれる理由を築くことができます。
Oz link(株式会社オズ・リンク)では、Who/What/RTBに基づく戦略設計から、クリエイティブ実行・KPI設計・改善までを一貫して支援しています。
自社らしいブランドをつくり、成果につなげたいとお考えの際は、ぜひご相談ください。
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この記事を書いた人
Oz link 編集部
デジタル戦略を中心にクライアントを成功へ導くマーケティングコンサルティングエージェンシー株式会社Oz link(オズ・リンク)。顧客起点の科学的マーケティングを一気通貫で支援することで、企業の持続的な成長を実現します。ブランディングやマーケティング全般、プロモーションや営業活動における課題解決をサポートします。まずはお気軽にご相談ください。
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