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近年、企業の広告運用において「ブランディング広告」が再び注目を集めています。リスティング広告などの即効性のある施策だけでは、競争が激化する市場で差別化を図ることが難しくなってきたためです。
ブランディング広告は、直接的な購入を促すものではありませんが、ブランドの認知や信頼を高めることで、長期的に売上やロイヤルカスタマーの獲得に繋がる施策です。
そこで本記事では、ブランディング広告の定義や種類、パフォーマンス広告との違い、効果的な設計のポイントを詳しく解説していきます。
Contents
ブランディング広告の定義と特徴
まずは、ブランディング広告の基本情報を見ていきましょう。
ブランディング広告の定義
ブランディング広告とは、ブランドの存在や価値、世界観をユーザーに伝え、信頼・好感・共感といった感情的な価値を醸成することを目的とした広告手法のこと。
直接的な購買や資料請求といった行動を促すのではなく、「記憶に残る」ことや「好印象を持たれる」ことが成果と見なされます。YouTubeの動画広告やSNSでのストーリー性ある投稿など、視覚・感情に訴えるクリエイティブが多用されるのが特徴です。
ユーザーとの最初の接点を設計し、後の比較・検討フェーズで想起されることを狙う目的があります。
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パフォーマンス広告との違い
パフォーマンス広告(例:検索連動型広告やリターゲティング広告)は、クリック率やコンバージョン数などの明確なKPIに基づいて短期的な成果を追う広告手法です。
一方、ブランディング広告は、中長期の売上向上やロイヤルカスタマーの育成を目的とした「間接的に効く広告」とも言えます。
このように両者は役割が異なるため、フェーズや目的に応じて使い分けることが重要です。
ブランディング広告の代表的な媒体と特徴
ブランディング広告は、主に視覚的・感情的な訴求ができる媒体を中心に展開されます。以下は代表的な例です。
・ Instagram広告:世界観やライフスタイルに訴求しやすく、若年層へのブランド浸透に効果的。
・ X(旧Twitter)広告:共感やリアルタイム性を活かした拡散力のある施策が可能。
・ 記事LP・動画LP:広告からの導線先として、ブランドストーリーをしっかり語れる設計が可能。
媒体選定の際は、「誰に」「どんな印象を与えたいか」に応じてクリエイティブとセットで戦略的に選ぶことが求められます。
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なぜ今「ブランディング広告」が注目されているのか
これまで主流だった検索連動型広告(リスティング広告)は、購買意欲が顕在化したユーザーに効果的でした。しかし、競合の増加・広告単価の上昇・検索意図の複雑化により、検索広告だけでは限界が出てきています。
とくにニーズがまだ顕在化していない潜在層にアプローチするには、「知ってもらう」接点が必要不可欠です。
ここで力を発揮するのがブランディング広告であり、検索前の印象づけが、後の指名検索やCVRの向上に繋がるのです。
認知から購買までの変化(パーチェスジャーニーの複雑化)
SNSや比較サイトの発達により、ユーザーは購買に至るまで複数のチャネルを経由するようになりました。
ある広告を見た後、SNSの口コミをチェックし、さらに検索して比較検討する――こうした「非直線的な購買行動」が一般的になっています。そのため、単一の施策でCVを狙うよりも、各フェーズでの接触と印象設計を組み合わせることが重要なのです。
ブランディング広告は、その最初の接点となり、ユーザーの購買決定に影響を与える存在になっています。
ブランド想起がCVRに影響する事例も
「知っている」「見たことがある」といった印象は、ユーザーの安心感や信頼に直結します。実際、ブランド名を含んだ検索経由のLP訪問者は、CVRが大きく向上する傾向にあります。
また、SNSで話題化された広告が結果的に検索数・流入・CVの増加につながる事例も多く、直接的なクリックやCVでは測れない「間接的な成果」を生むのがブランディング広告の強みなのです。
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ブランディング広告で成果を出すためのポイント
では次に、ブランディング広告で成果を出すために押さえておくべき具体的なポイントを見ていきましょう。
①適切なKPI設定と効果測定の方法
ブランディング広告は「即CV」にはつながりにくいため、適切なKPI設定と成果の可視化手法が成功の鍵を握ります。
従来のCTRやCVRだけでなく、指名検索数の推移やブランドリフト調査といった間接的な指標を設定することで、効果を正しく捉えることができます。
・ ブランド名を含む検索回数の増加
・ SNSでのエンゲージメント(いいね・シェア・コメント)
・ 広告認知率や好意度(ブランドリフト調査など)
・ YouTube広告での視聴完了率や平均視聴時間
これらのデータを蓄積・分析することで、「ただ流すだけの広告」ではなく、ブランドとの結びつきを可視化し、改善へとつなげる運用設計が可能になるのです。
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②ターゲットとペルソナの明確化
ブランディング広告は「誰に伝えるか」で成果が大きく左右されます。単なる年齢・性別といった属性情報だけでなく、価値観・悩み・行動パターンを含めたペルソナ設計が不可欠です。
たとえば、20代女性に向けたコスメブランドであっても、「トレンドに敏感な美容感度の高い層」と「肌トラブルに悩む敏感肌志向の層」では、響くメッセージもタッチポイントも大きく異なります。
ブランディング広告では、認知前の段階にいる潜在層との“初めての接触”を前提とするため、細やかなインサイト設計が必要です。
弊社Oz link(株式会社オズ・リンク)では、インタビューや定性調査をもとに、共感されるメッセージを言語化し、ペルソナ像に沿った広告設計を行います。
的確なターゲティングとペルソナの明確化は、無駄な広告配信を防ぎ、ブランドイメージの醸成を最短距離で実現するための第一歩です。
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③クリエイティブ設計での印象統一
ブランディング広告において、クリエイティブは最も重要な要素のひとつです。ユーザーがそのブランドを「どんな世界観で認識するか」「どんな感情を抱くか」は、視覚・言語・音声によって瞬時に決まります。
成果を上げるブランディング広告には、以下のような共通点があります:
・ ユーザーの感情を動かすストーリー性がある
・ ブランドの「らしさ」が一目で伝わる
たとえば、D2Cブランドでは「商品スペック」ではなく「暮らしがどう変わるか」を伝える映像表現が多く活用されます。Instagramでは、雰囲気重視の写真や共感できるキャッチコピーが特に効果的です。
Oz linkでは、戦略で定めたペルソナやブランドの軸をもとに、SNS広告・動画・LP・記事コンテンツまで一気通貫で設計し、ブランド全体の印象統一を図ることで、記憶に残る広告体験をつくります。
④継続的な接触とリーチの設計
ブランディングは、一度の広告接触で完結するものではありません。ユーザーの記憶にブランドを定着させるには、複数回・複数チャネルでの継続的な接触が必要です。
たとえば、YouTubeで初めて広告を見た後に、Instagramの投稿で再認識し、さらに検索で比較検討するというように、各チャネルが連動してユーザー体験を構成する設計が理想です。
また、接触の頻度とタイミングも重要であり、以下のような施策が有効です:
・ リーチ最大化型広告で接点を広げた後、リマーケティングで再接触
・ 季節やイベントに応じたタイミングで継続配信
Oz linkでは、媒体ごとの特性やユーザーの意思決定プロセスを踏まえ、短期施策と中長期のブランド接点を組み合わせたプランニングを行います。これにより、「忘れられないブランド」としての定着を促します。
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Oz linkが提案するブランディング×広告戦略
以下では、Oz linkがご提案しているブランディング広告の実践方法をご紹介します。
STP設計とインサイト分析に基づいた広告設計
Oz linkのブランディング広告支援は、「誰に、何を、どのように届けるか」を明確にする戦略設計(STP設計)から始まります。
マーケティング戦略の基礎である、Segmentation(市場の細分化)、Targeting(狙う層の選定)、Positioning(ブランドの立ち位置の明確化)を丁寧に設計することで、広告施策の精度を高めていきます。
また、表層的な属性ではなく、顧客インサイトを深く掘り下げるアプローチも特徴です。
行動や意識、価値観に基づく細やかなペルソナ分析を行い、どのようなメッセージやトーンが響くのかを設計段階で言語化します。
このように、Oz linkでは「なんとなくかっこいい広告」ではなく、狙ったターゲットに確実に届き、印象に残す広告体験を設計するのです。
【ブランディング・マーケティングに関するご相談・お問い合わせはこちら】
クリエイティブ・LP・SNSまで一気通貫で支援
Oz linkの強みは、戦略設計だけで終わらず、実行フェーズまで伴走できる体制にあります。
ブランディング広告においても、広告クリエイティブの設計からLP(ランディングページ)の制作、SNSでの訴求まで、すべてを一気通貫で支援します。
例えば、広告バナーや動画のデザインをブランドトーンに合わせて統一し、その先にあるLPでも同じ世界観を保つことで、ユーザーの違和感を排除し、没入感ある広告体験を提供します。
さらにSNSでは、広告と連動した投稿やストーリーズ運用により、継続的な接触とファン化を促進します。
制作機能とマーケティング思考を兼ね備えたチームが揃っているため、施策間の分断が起こりにくく、【戦略 → 設計 → 実行】までが一本のストーリーでつながる設計が可能となるのです。
「売上につながるブランディング」を実現する実行力
Oz linkのブランディング広告支援は、単なる認知拡大にとどまりません。「ブランディング=売上につながる投資」であることを証明する実行力が最大の特徴です。
多くの企業が「ブランディングの効果は見えづらい」と感じる理由は、戦略とKPIが結びついていない、または実行プロセスが分断されていることにあります。
Oz linkでは、ブランドの印象形成から指名検索・CVR向上までの流れを見据えて設計・実行することで、成果の可視化と最適化を可能にしています。
また、自社D2Cブランドや飲食事業などで得た実証データをもとに、机上の空論ではない“売れるブランディング”をクライアントごとにカスタマイズして提供しています。
ブランドの価値を高めながら、しっかりと事業成長に貢献できる――それがOz linkのブランディング広告支援です。
まとめ|広告を通じて「ブランドが売れる」時代へ
かつては「ブランディング」と「売上」は別物として扱われがちでした。しかし今、ブランドの印象や想起がコンバージョン率やLTVに大きく影響する時代へと変化しています。
ブランディング広告は、もはや“イメージアップ”のためだけの施策ではありません。
重要なのは、認知から検討・購買までのプロセスを俯瞰し、感情とロジックの両方でユーザーとつながること。戦略的に設計されたブランディング広告は、売上にもつながる“投資”となり得ます。
Oz linkでは、戦略と実行、そして改善まで一気通貫で支援し、「ただ広める」ではなく「選ばれるブランド」をつくる広告支援を提供しています。
広告を「売るための施策」から、「ブランドをつくる経営戦略の一部」へ――ブランディング広告の力で、貴社の事業に新たな成長の突破口を開きませんか?
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『ブランディング分析とは?手法・活用シーン・戦略設計への活かし方を徹底解説』
『マーケティング方法を戦略から施策まで体系的に解説|成果を出すための実践プロセスとは?』
『ブランディング戦略のフレームワーク|成功するブランドのための必須ツール』
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この記事を書いた人
Oz link 編集部
デジタル戦略を中心にクライアントを成功へ導くマーケティングコンサルティングエージェンシー株式会社Oz link(オズ・リンク)。顧客起点の科学的マーケティングを一気通貫で支援することで、企業の持続的な成長を実現します。ブランディングやマーケティング全般、プロモーションや営業活動における課題解決をサポートします。まずはお気軽にご相談ください。
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