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マーケティングプロセスを理解すれば売れる仕組みがつくれる|全体設計ガイド

マーケティングプロセス

「集客がうまくいかない」「広告を打っても売上につながらない」――そう感じたことはありませんか?

その原因の多くは、マーケティングの全体像が整理されておらず、施策が点で終わってしまっていることにあります。SNS運用や広告出稿など、目の前の施策にリソースを集中しても、「売れる仕組み」がなければ継続的な成果にはつながりません。

いま求められているのは、一つひとつの施策を有機的に結びつける流れのあるマーケティング戦略です。

そこで本記事では、初心者の方でも理解しやすいようにマーケティングの流れを6つのステップに分けて解説します。さらに、BtoB、BtoCマーケティングの流れの違いについてもご紹介します。

マーケティングの基礎を体系的に学びたい方や、自社の施策に一貫性を持たせたい方にとって、必ず役立つ内容です。

マーケティングの基本|顧客起点の流れとは?

マーケティングの基本

マーケティングとは何か?――この問いに対する答えは無数にありますが、弊社Oz link(株式会社オズ・リンク)ではこう定義します。

「顧客視点で顧客心理を理解し、売れる仕組みをつくること」

これは、経営思想家ピーター・ドラッカーの言葉「マーケティングの理想は販売を不要にすることである」にも通じる考え方です。単に商品を売るためのテクニックではなく、顧客に選ばれる必然をつくるプロセスこそがマーケティングの本質なのです。

なぜ流れでとらえるべきか?

現代のビジネス環境は複雑化しており、単発の施策では成果を最大化できません。

SNSで話題になっても、問い合わせにつながらなければ意味がない。逆に、認知がないまま説明会を開いても、参加者は集まりません。

だからこそ重要なのが、「流れ」でマーケティングを設計すること

顧客が「知るから買う」までの体験を一気通貫で設計することで、一貫性と再現性のある集客・販売が可能になります。

6ステップのマーケティングの設計フロー

6ステップのマーケティングの設計フロー

マーケティングを成果につなげるには、個別施策ではなく、流れを意識した全体設計が必要です。

ここでは、6ステップのマーケティング設計フローを、D2Cコスメブランドの事例を用いて解説していきます。

※以下の事例は、複数の企業の実例を参考に再構成したものであり、特定の企業を示すものではありません。

【Step1】市場・環境分析

① PEST分析

政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)という4つの視点から、自社がコントロールできない外部環境の変化を整理します

例)毛穴ケア特化したD2CコスメブランドのPEST分析

 ・ Politics(政治):薬機法の強化により、広告表現に制約 があるため「医薬部外品」への明確な分類が必要
 ・ Economy(経済):円安傾向により、海外製造コストが上昇しているため、国内OEMの見直しが必要
 ・ Society(社会):SNSを通じた美容情報の拡散/Z世代の成分重視志向の高まり
 ・ Technology(技術):AIによる肌診断やパーソナライズ技術の進化をECでの顧客体験向上に活用可能

② SWOT分析

次に、自社の内部要因(強みStrength/弱みWeakness)と、外部要因(機会Opportunity/脅威Threat)を掛け合わせ、現時点での戦略的ポジションを見極めます

例)毛穴ケア特化したD2CコスメブランドのSWOT分析

 ・ Strength(強み):成分にこだわったナチュラル処方/スキンケア×動画マーケティングの成功
 ・ Weakness(弱み):販売チャネルがECのみのため、実店舗や体験の場がない
 ・ Opportunity(機会):ノーファンデ需要が高く、肌負担を減らすニーズの拡大
 ・ Threat(脅威):大手ブランドのD2C進出/TikTokを中心とした情報過多による選定疲れ

Oz linkでは、クロスSWOT分析を活用し、「強み×機会」などの掛け算から打ち手を導き出します。

例)毛穴ケア特化したD2CコスメブランドのクロスSWOT分析

「強み×機会」→成分にこだわったスキンケアとして、ノーファンデ派に訴求するストーリー設計が可能

③ 3C分析

最後に、「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3視点から環境を捉え直し、どこに勝機があるかを明らかにします

例)毛穴ケア特化したD2Cコスメブランドの3C分析

 ・ Customer(市場・顧客):ニキビや毛穴に悩む20代女性/インスタ・YouTubeでコスメ情報収集
 ・ Competitor(競合):毛穴対策訴求系ブランド
 ・ Company(自社):自社は「黒ずみ×角栓×保湿」を同時にケアできることが差別化要素

→ 顧客のインサイト:「毛穴を隠すのではなく、根本からケアしたい」→ 差別化軸:「ファンデ卒業コスメ」というポジションで想起される仕掛け

■あわせて読む
「3C分析とは?マーケティング戦略への活かし方とPEST・SWOTとの違いを徹底解説」

【Step2】ターゲット選定

マーケティングの次のステップは、「誰に」「どう届けるか」の精緻な設計です。STPは以下の3プロセスで構成されます。

例)毛穴ケア特化したD2CコスメブランドのSTP分析

■S:セグメンテーション
以下のように細かく区切ってターゲット候補を整理します。

セグメント視点
年齢層 20代前半(Z世代)
肌悩み 毛穴・角栓・ニキビ
ライフスタイル SNSからコスメ購入/ナチュラル志向/休日はカフェや推し活

■T:ターゲティング
「肌悩みがあるが、ファンデで隠すのではなくすっぴん力を高めたい」層をターゲットに設定

■P:ポジショニング
「ファンデ卒業を叶える”毛穴ケア×肌育成”ブランド」として、第一想起”されるブランドポジションを設計

このように、「インサイト×情緒×生活文脈」を重視するSTP設計により、「共感」と「指名買い」が起きやすいブランドづくりが可能になります。

【Step3】ポジショニングと価値提案

誰に売るかが明確になったら、次は「何をどう伝えるか」を設計します。

 ・ 顧客の未充足ニーズ(インサイト)を特定
 ・ 商品・サービスのベネフィット)を言語化
 ・ 「○○のときにはこのブランド」と連想される状態
CEP(カテゴリーエントリーポイント)を設計

Oz linkでは、ベネフィット設計において感性・情緒の訴求と機能価値のバランスを重視します

■あわせて読む
カテゴリーエントリーポイント(CEP)とは?ブランドが“想起される仕組み”をつくるマーケティング戦略を解説』 

【Step4】マーケティングミックス

ターゲットとポジションが定まったら、次に行うのは「どう売るか」の設計です。ここでは、4P(Product/Price/Place/Promotion)の観点から戦略を整えます。

例)毛穴ケア特化したD2Cコスメブランドの4P設計

要素 設計方針
Product(商品) 「角栓・黒ずみ・保湿」3機能を1本で提供。W洗顔不要のクレンジングバーム。天然由来成分90%。
Price(価格) 月額3,300円の定期コースを主軸に、単品販売も併用。お試し用ミニサイズも展開。
Place(流通) 自社ECのみで展開。インスタ広告からLPへ誘導し、初回購入→LINE登録→継続へ導線設計。
Promotion(販促) SNS(Instagram・TikTok)、YouTubeレビュー、UCG(お客様の声)を活用。美容系インフルエンサーとのコラボも実施。

■あわせて読む
マーケティングの4Pとは?意味・4Cとの違い・事例・活用方までわかりやすく解説

【Step5】施策実行と顧客接点の構築

いよいよマーケティング施策の実行フェーズです。

Oz linkの特徴は、単なるチャネル選定ではなく、「CEP(カテゴリーエントリーポイント)=ブランドを思い出してもらう瞬間」を起点にコミュニケーションを設計する点にあります。

例)毛穴ケア特化したD2CコスメブランドのCEP設計

CEP(想起される瞬間) 施策例
「朝、毛穴が気になった瞬間」 インスタのスワイプ動画広告で毛穴レスな朝を訴求
「夜、メイク落としのタイミング」 YouTubeでナイトルーティン動画を展開
「肌荒れでテンションが下がった日」 LINEメッセージで「肌をいたわる一言」と特別クーポン配信

このように「いつ・どこで・どんな気持ちの時に想起されたいか」を設計することで、第一想起を狙うブランディング施策が可能になります。

【Step6】効果検証と改善

マーケティングは「売って終わり」ではなく、「売れ続ける仕組みづくり」のために改善を重ねていくプロセスです。

マーケティングの流れ全体に対して、段階ごとに適切なKPI(重要業績評価指標)を設定し、継続的な成果向上を目指します。

例)毛穴ケア特化したD2CコスメブランドのKPI設計

フェーズ 主な目的 KPI指標例(具体的な数値イメージ)
認知 ブランドを知ってもらう – Instagram広告のリーチ数/インプレッション数
– TikTok動画の再生回数(例:月間10万回以上)
– 検索ボリュームの増加(「クレンジングバーム 毛穴」)
興味・関心 商品に興味を持ってもらう – LPクリック率(CTR):1.5〜3%
– YouTubeの平均視聴時間(2分以上)
– 「いいね」や保存数(指名買い予備軍の蓄積)
検討 商品を買うか検討してもらう – LP上の滞在時間(60秒以上)
– カート投入率:15%前後
– LINE登録率:35〜45%
購入 初回購入につなげる – CVR(成約率):2〜4%
– 初回購入単価:3,300円
– 支払い方法別の離脱率(クレカ・後払いなど)
継続 リピーター化させる – 2回目購入率:30%以上
– 定期便継続率(3ヶ月時点):60%以上
– 解約理由の分析と改善実施率
推奨 ファン化・紹介を生む – SNSでのUGC投稿数
– インスタでのメンション数(例:@cosmeランキング入り)
– 「レビュー」や「#すっぴん力」などのタグ使用数

これらのKPIは「マーケティングの流れ」と完全にリンクしています

たとえば、「CEPで想起される瞬間にLINE登録が起きているか?」、「初回購入から3ヶ月後の定期継続率は想定通りか?」など、数値と仮説を常に照らし合わせることで戦略の精度が増していきます

Oz linkでは、これらの指標設計とPDCA運用を通じて、「一過性ではないマーケティング成果」の実現を支援しています。

■あわせて読む
「【保存版】マーケティング戦略フレームワーク12選|STP・4P・SWOTを実務で使いこなす方法」
「【完全ガイド】マーケティング戦略の立案方法|フレームワークと4ステップ設計術」

BtoBとBtoCで異なるマーケティングの流れのポイント

マーケティングの基本的な流れ「市場を理解し、ターゲットを定め、価値を届け、継続的な関係を築く」という構造自体は、BtoB(法人向け)でもBtoC(個人向け)でも共通です。

しかし実務では、購買プロセスの長さ、判断基準、コミュニケーション手段などが大きく異なり、設計のアプローチにも違いが生まれます。

ここでは、両者の違いを押さえた上で、自社に合ったマーケティング設計ができるよう解説します。

BtoB|信頼と論理で動く、「複数人の合意形成」型マーケティング

法人向け商材のマーケティングでは、意思決定者が複数にまたがることが一般的です。

たとえば「現場の担当者が情報収集をし、課長・部長が検討、最終的には役員が決裁」といった流れが代表的です。

このため、マーケティングでは「信頼」「実績」「費用対効果」など、定量的かつ論理的な訴求が重要になります。

■BtoBにおける典型的な流れ

 1. 認知獲得 :ホワイトペーパー・業界メディア・展示会などでリード獲得
 2. 育成フェーズ :メールマガジンやMA(マーケティングオートメーション)ツールで情報提供
 3. 営業連携 :インサイドセールスから商談化へ
 4. 関係構築 :導入後のサポート体制やアップセルの仕組みまで設計

→ BtoBは「比較・検討」が長期に渡るため、継続的な接点設計と営業部門との連携が不可欠です。

■あわせて読む
ホワイトペーパーとは?BtoBマーケティングで成果を出す活用方法と作り方を解説

BtoC|感情と瞬発力で動く、「個人の直感」型マーケティング

一方、BtoCの購買判断は1人の個人が「感情」や「タイミング」で行うことが多く、比較検討の期間も短い傾向があります。

そのため、ブランドイメージや広告クリエイティブ、SNSでの口コミなど、感性・共感に訴える設計が非常に重要です。

■BtoCにおける典型的な流れ

 1. 認知獲得 :SNS広告やインフルエンサー起用で話題化
 2.共感形成 :商品ストーリーやレビューを通じた世界観づくり
 3.購入導線 :LPやECサイトでの即時購入を設計
 4.リピート・拡散 :定期購入、SNS投稿、ポイント制度によるファン化

→BtoCでは、「この瞬間に欲しい」と思わせる仕掛けや体験設計が勝負どころになります。

Oz linkが提唱する共通設計|「WHO → WHAT → HOW」の流れで組み立てる

BtoB・BtoCいずれであっても、Oz linkでは以下のように設計しています。

 ・ WHO(誰に):ターゲットの生活文脈や業務課題を徹底理解
 ・ WHAT(どんな価値を):感情・便益・機能など多層的に設計された価値提案
 ・ HOW(どう届けるか):CEPや接点設計を通じた一貫したコミュニケーション設計

これにより、一貫性があり、成果につながる流れあるマーケティング戦略を実現しています

まとめ|マーケティングの流れを理解することが成果への近道

マーケティングは単なる「販促」や「集客」ではなく、顧客視点で売れる仕組みを構築する戦略的プロセスです。

そのためには、施策の一つひとつをバラバラに実行するのではなく、流れとして一貫性を持って設計することが欠かせません

この記事では、以下の6ステップに沿って、マーケティングの全体像を解説しました。

 1.市場・環境分析
 2.ターゲット選定
 3.価値提案とポジショニングの設計
 4.4Pによるマーケティングミックス
 5.顧客接点に基づく施策実行
 6.KPIに基づく効果検証と改善

さらに、BtoBとBtoCでの流れの違いや、感情・論理・タイミングの違いを押さえることで、自社に最適なマーケティング戦略が見えてきます。

Oz linkでは、この「マーケティングの流れ」を企業ごとに最適化し、戦略から実行までを一貫して支援しています。

マーケティングにおける迷いや属人的な判断から脱却し、戦略的に売れる仕組みを作りたい企業様は、ぜひ一度ご相談ください。

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About meこの記事を書いた人

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Oz link 編集部

顧客起点の科学的マーケティングを一気通貫で支援し、企業の持続的な成長を実現するマーケティングコンサルティング・採用コンサルティング企業「株式会社Oz link(オズ・リンク)」。ブランディングやマーケティング全般、プロモーションや営業活動、人材採用/インターンシップ設計における課題解決をサポートします。まずはお気軽にご相談ください。

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