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【保存版】マーケティング戦略フレームワーク12選|STP・4P・SWOTを実務で使いこなす方法

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施策を打っても成果が出ない。その原因の多くは「戦略不在」です。情報があふれ、顧客ニーズが多様化した今、「良い商品をつくるだけ」では売れません。

だからこそ、「誰に・何を・なぜ届けるか」を設計するマーケティング戦略が欠かせません。その戦略を体系立てて思考・共有するために使われるのが「フレームワーク」です。

本記事では、弊社Oz link(株式会社オズ・リンク)が実務で活用するフレームワークの考え方を軸に、マーケティング戦略構築の全体像を解説します。

マーケティング戦略とは?|「売れる仕組み」をつくる設計図

マーケティング戦略とは、顧客視点で顧客心理を理解し、「売れる仕組み」をつくるための設計図です。

これはOz linkの定義であり、マーケティングを単なる集客手段と捉えるのではなく、顧客と企業をつなぐ価値提供の構造をデザインする行為だと位置づけています。

4ステップでわかる基本構造

大きく次の4つのステップに分けて設計されます。

1.環境分析:自社・市場・競合の現状を多角的に把握する
2.戦略立案:ターゲット・ポジショニング・提供価値を定める
3.施策設計:商品・価格・販路・プロモーションの打ち手を決定
4.検証・改善:KPIに基づき、施策の成果を測定し最適化を行う

Oz linkでは特に、「未顧客」の視点や「生活文脈(CEP)」から逆算して戦略を組み立てる点が特徴です。

つまり、「誰もまだ注目していない市場機会」を見出し、そこから戦略を構築していくアプローチが、現代マーケティングにおいて差別化の鍵となります。

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マーケティング戦略とは?意味・STP分析・立て方・成功事例まで徹底解説!

マーケティング戦略の4ステップ構築別|フレームワーク12選

マーケティング戦略は、施策のアイデアを出す前に市場の理解から始める必要があります。

ここでは、Oz linkのテンプレートで用いられている4ステップ構成に沿って、各フェーズで活用される代表的なフレームワークを詳しくご紹介します。

Step1 環境分析|今の立ち位置を把握する

まずは、自社を取り巻く環境を客観的に把握することから始めます。

■PEST分析

マーケティング戦略フレームワーク:PEST分析

Politics(政治)・Economy(経済)・Society(社会)・Technology(技術)の頭文字を取ったマクロ環境分析のフレームワークです。

例)
•法改正によるEC取引ルールの変化
•キャッシュレス推進による決済の進化 など

自社でコントロールできない外部要因の変化を事前に把握するのが目的です。

■ 3C分析

Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3軸から構造的に整理する分析フレームワーク。

•顧客:どんなニーズ・行動があるか?未顧客はどこにいるか?
•競合:誰と戦っているか?競合の強みは何か?
•自社:何が強みか?何が選ばれる理由か?

これは、 STP戦略やポジショニングの土台を築くために欠かせない作業です。

■SWOT分析

Strength(強み)・Weakness(弱み)・Opportunity(機会)・Threat(脅威)をマトリクスで整理し、戦略機会を導き出す手法です。

例)
•強み:LTVの高い既存顧客が多い
•機会:サステナブル志向の高まりでエシカル製品が注目

内部要因 × 外部要因をクロスさせて戦略の方向性を発見します。

■クロスSWOT分析

SWOT分析をさらに発展させ、4つの組み合わせで具体的な戦略を導き出す手法です。

•強み×機会:攻める戦略
•弱み×機会:強化が必要な戦略
•強み×脅威:守りの戦略
•弱み×脅威:撤退や縮小戦略

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3C分析とは?マーケティング戦略への活かし方とPEST・SWOTとの違いを徹底解説

Step2 戦略立案|誰に、どんな価値を届けるかを決める

環境分析をもとに、自社の進むべき道を設計します。

■STP分析

マーケティング戦略フレームワーク:STP分析

マーケティング戦略の中心となる考え方です。

•Segmentation(セグメンテーション):年代、職業、価値観、行動などで市場を分類する
•Targeting(ターゲティング):誰に届けるかを決める
•Positioning(ポジショニング):競合との違いを明確化し、顧客の頭に残る立ち位置をつくる

■ ペルソナ設計

ペルソナとは、ターゲット顧客の「具体化された1人の人物像」のことです。

年齢・性別・職業だけでなく、

•どんな悩みを持っているか
•どんな生活シーンで商品に出会うか
•そのときの気持ち・行動は?

などまで落とし込みます。

Oz linkでは、「生活文脈(CEP)×感情」の組み合わせをもとにペルソナを立て、単なる属性ではなくシーンに強い設計を行います。

■Evoked Set戦略

Evoked Set(エボークトセット=想起集合)とは、「〇〇といえば?」と聞かれたときに頭に浮かぶブランドの集合体のこと。

第一想起を獲得できるブランドは、以下の確率のすべてが高くなります。

•検討される確率
•購入される確率
•リピートされる確率

競争の激しい市場では、生活シーンや感情に根差した強いポジショニングと想起設計が必要になります。

Step3 施策設計|どんな打ち手で届けるか?

戦略で「誰に・何を届けるか」が定まったら、次はそれを「どう届けるか」を設計するフェーズです。

ここでは、4Pや4C、そしてOz link独自のCEP(カテゴリーエントリーポイント)という概念が活用されます。

■4P分析

マーケティング戦略フレームワーク:4P分析

4Pとは、マーケティングの施策を4つの視点から整理するフレームワークです。

項目 意味 実務での活用視点
Product(製品) 商品・サービスの特性、品質、デザイン 顧客にとってどんな価値を提供するのか?
Price(価格) 値付け、割引、課金モデル 価格がブランドやLTVとどう紐づくか?
Place(流通) EC、実店舗、営業チャネルなど 顧客の生活動線上に設計されているか?
Promotion(販促) 広告、PR、SNS、LPなど 顧客の「知る→買う」までの流れを導けているか?

4Pは「HOW(どう届けるか)」を設計する際の基盤として使われます。

■4C分析

4Cとは、4Pを「企業視点」から「顧客視点」に変換するフレームワークです。

項目 意味 4Pとの対応関係 設計の視点
Customer Value(顧客価値) 顧客にとってのメリットや意味 Product 「私にとってどんな良さがあるのか?」を明示する
Cost(顧客負担) 金額だけでなく、手間・時間・心理的負担も含む Price 「コスパ」や「手間のなさ」が評価されやすい時代に対応
Convenience(利便性) 購入・利用のしやすさ Place 生活動線上にあるか?スマホで完結するか?
Communication(対話) 一方通行でない情報の伝え方 Promotion SNS・UGC・レビューなど、双方向性が重視される

たとえば、4Pの「Promotion」が単なる広告出稿で終わっている場合でも、4Cでは「Communication」として、顧客の気持ちを汲みながら信頼関係を築く対話に昇華させる設計が求められます。

また、「Product」のスペックではなく、「Customer Value」として生活文脈における意味を設計することが、Oz linkのCEP戦略とも直結します。

■CEP(カテゴリーエントリーポイント)

Oz linkのマーケティング戦略では、顧客を理解する起点として、「CEP=カテゴリーエントリーポイント」という考え方を採用しています。

これは、顧客がある商品カテゴリーを「買おう」と思い出す瞬間や生活シーンを指し、ブランドが想起される入口を意図的に設計する手法です。

▼ 戦略の起点は、「誰に売るか」ではなく「いつ・なぜ想起されるか」
従来のSTP戦略では「人」そのもの(年齢・職業・属性など)をターゲティングの軸に置くのが一般的ですが、CEP では「行動文脈」や「生活の中のきっかけ」を起点とします。

この背景にあるのが、次のような発想です。

•市場のほとんどは「見えていない未顧客」で構成されている
•商品の購買は「人」ではなく「行動や文脈」によって引き起こされる
•文脈=ブランドを想起するスイッチになり得る

▼ CEPを構造的に設計する6つの視点
CEPを以下の観点で探索・設計していきます。

観点 内容
When(いつ?) 時間帯、曜日、季節など
Where(どこで?) 家庭、職場、店頭など
While(どんな行動中に?) 料理中、仕事前、帰宅後など
With What(何と一緒に?) コーヒー、スマホ、音楽など
Why(なぜ?) どんな目的や課題解決のためか
Feeling(どんな気分で?) どんな感情を得たいのか?

この設計により、生活の中で自然と商品が思い出される「=ブランドとの接点が生まれる構造」ができあがります。

▼ 売上の数式で考えるCEPの重要性
Oz linkの戦略テンプレでは、売上は次の数式で表現されます

【数式】売上=CEP数 × 想起確率 × 各利用機会の購入率 × 単価

この式の通り、売上を伸ばすには広告を増やすこと以上に、「生活文脈の中にどれだけ多くのCEPを設計できるか」が重要というわけです。

Step4:検証・改善|成果を測定し、最適化する

戦略を立て、施策を実行した後は、その成果を定量的に検証し、改善につなげるフェーズです。

このステップは、単に「数字を振り返る」だけでなく、戦略から施策の一貫性を見直す仕組みとして重要です。

■KPIツリー設計

マーケティング戦略フレームワーク:KPIツリー設計

マーケティングKPIは、事業目的と施策をつなぐ因果構造として捉えることができます。

例)・売上目標 → 商談数 → サイト訪問数 → 流入チャネル別クリック率 → 広告クリエイティブの効果

このように、ゴールから逆算してKPIをツリー構造で設計することで、「どこがボトルネックなのか?」「何を改善すべきか?」「成果に最もインパクトがある要素はどこか?」が一目でわかる状態になります。

■ ファネル分析

カスタマージャーニーに対応したファネル分析を活用し、各ステップでの離脱率や改善余地をチェックします。

例)
1.認知:広告/オウンドメディアのインプレッション
2.興味:LP訪問・滞在時間・CVR
3.比較:資料DLや無料相談の申込率
4.決定:商談化率・契約率

この構造を見れば、たとえば「広告は回っているが、CVRが悪い」→「訴求メッセージか導線に課題あり」といった仮説が立てやすくなります。

実務での使い方|フレームワークは、考える順番を整理する道具

マーケティング戦略を構築するためのフレームワークは、単なる知識や型ではありません。

「考えるべき順番を整理し、チームの共通言語をつくる道具」として活用する必要があります。

1. フレームワークは目的から選ぶ

「とりあえずSWOTを使おう」「STPを埋めよう」では意味がありません。まず、「今どのフェーズにいるのか?」を確認し、その目的に適したフレームを選ぶことが大前提です。

フェーズ 活用目的 推奨フレームワーク
環境を把握したい 自社や市場の現状を整理 PEST / 3C / SWOT
ターゲットを明確にしたい 生活文脈やニーズを見極める STP / ペルソナ設計 / Evoked Set戦略
施策を設計したい 打ち手を顧客視点で設計する 4P / 4C / CEP
成果を評価・改善したい ボトルネックを発見・修正 KPIツリー / ファネル分析

2. 単体で使わず「つなげて使う」

フレームワークは、地図のパーツのように接続していく思考設計を大切にしなければなりません。
マーケティング戦略フレームワーク

例)
•【PEST→3C→SWOT】で外部環境から自社の勝ち筋を発見
•【SWOT→STP→CEP】で狙う市場を定め、想起される文脈を設計
•【CEP→4C→KPI】で顧客起点の打ち手をつくり、成果測定と改善に活かす

こうすることで、「点」ではなく「線」としてマーケティング戦略がつながり、社内外の関係者と一貫性のある議論が可能になります。

3. テンプレートで、仮説からアウトプットまで一気通貫

Oz linkの支援では、テンプレート上で各フレームワークを埋めながら、最終的には1枚で俯瞰できる戦略シートとして整理します。これにより、施策ブレ・目的ズレを防ぎ、外部パートナーとの共有もしやすくなります

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4. 答えを出すためでなく、問いを深めるために使う

最後に――フレームワークは「正解を導き出すツール」ではなく、「問いを深め、思考を整理するためのツール」です。

テンプレートを埋める過程そのものが、「チーム内での共通認識形成」「課題発見のプロセス」「顧客理解の深化」につながっています。

このように、フレームワークを知識として覚えるのではなく、実務でどう使うか、どうつなげるかを意識することが、マーケティング戦略を「動く仕組み」に変える第一歩です。

まとめ|売れる仕組みはフレームワークの先にある

マーケティング戦略とは、単なる施策の積み上げではなく、「誰に・何を・なぜ・どうやって届けるか」を一貫性を持って設計する行為です。

そして、その思考を整理し、チームの共通言語とするために不可欠なのが、今回ご紹介したフレームワーク群です。

Oz linkでは、4PやSTPといった定番に加え、「CEP」や「4C」「KPIツリー」など、顧客起点かつ実務で使える構造をもとに戦略テンプレートを設計しています。

「テンプレを使ってみたけど、やっぱりプロと一緒に進めたい」「自社の課題をどのフレームで整理すればいいか相談したい」という方は、無料相談・お問い合わせから、お気軽にご相談くださいませ。

About meこの記事を書いた人

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Oz link 編集部

デジタル戦略を中心にクライアントを成功へ導くマーケティングコンサルティングエージェンシー株式会社Oz link(オズ・リンク)。顧客起点の科学的マーケティングを一気通貫で支援することで、企業の持続的な成長を実現します。ブランディングやマーケティング全般、プロモーションや営業活動における課題解決をサポートします。まずはお気軽にご相談ください。

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