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ブランディングを高めるには?想起され選ばれるブランドを築く4つの戦略ステップ
どれだけ良い商品やサービスを提供していても、それだけでは選ばれにくい時代になってきた昨今。市場にあふれる同質的な商品やサービスの中で、選ばれるブランドになるには「記憶に残る仕掛け」が必要です。
そこで鍵を握るのが、戦略的なブランディング。とはいえ、「ブランディングを高める」とは何をどうすれば良いのか、具体的に答えられる人は少ないのではないでしょうか?
そこで本記事では、「選ばれるブランド」になるための考え方と、今すぐ実践できるブランディング強化のステップを解説します。実現可能なアプローチを紹介しますので、自社ブランドの価値を見直すヒントとして、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
ブランディングを「高める」とはどういうことか
ブランディングを高めるとは、見た目を整えるだけではなく「選ばれる理由」を明確にすることです。
第一想起に入ることがブランディングの本質
「ブランディング」と聞くと、ロゴやビジュアルの刷新、SNSでの発信など、表層的な施策をイメージしがちです。
しかし、本質は「顧客の記憶に残る存在になること」。
何かを購入・選定する際、真っ先に思い浮かぶブランド(=第一想起)に入っているかどうかが、ビジネスの成果を大きく左右します。
この「Evoked Set(想起集合)」に入るブランドは、認知度やイメージだけでなく、信頼や共感、継続利用の意思決定においても優位に立つことができます。つまり、ブランディングを高めるとは、想起される確率=選ばれる確率を上げる戦略的取り組みなのです。
なぜ今、ブランディングが必要なのか
市場環境が大きく変化する中で、企業が選ばれるためにはブランディングの再構築が求められています。
理由①:情報過多・類似商品の中で「思い出される」ことが価値になる
現代の消費者は、膨大な情報と選択肢に囲まれています。似たような商品やサービスが数多く存在する中で、「どれでもよい」ではなく「これがいい」と思ってもらうには、ブランドが生活者の記憶に残っている必要があります。
品質や価格といった機能的な差別化が難しくなった今、ブランドが与える印象や感情的なつながりが、購買行動に大きく影響するようになっています。企業にとってブランディングは、単なる「好印象づくり」ではなく、選ばれる確率を高めるための経営戦略そのものなのです。
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『マーケティングと経営戦略の違いは?連動メリットや実践フレーム紹介』
理由②:人口減少により「選ばれる確率」を高める戦略が不可欠に
日本国内では、少子高齢化や人口減少の影響により、そもそもの「市場規模」が縮小しつつあります。
顧客の絶対数が減っていく中では、「いかに選ばれるか」がこれまで以上に重要なテーマとなります。
特に中小企業や地方企業にとっては、「選ばれる理由」を明確にしなければ、価格競争に巻き込まれたり、より規模の大きなブランドに埋もれてしまったりするリスクもあります。こうした環境下で生き残るためには、機能や価格ではなく、自社ならではの価値をブランドとして確立する必要があるのです。
持続可能な成長を目指すためにも、今こそ本質的なブランディングに取り組むことが求められています。
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『ブランディングとは何をすること?意味・目的・やり方・成功事例まで徹底解説』
強いブランドに共通する4つの因子
「思い出してもらえるブランド」には共通する構造があります。Oz link(株式会社オズ・リンク)が重視する調査分析の結果からも、強いブランドには明確な4つの因子が存在します。
【因子①】コンセプトが明確で、イメージが鮮明である
強いブランドは、「何のブランドか」が一言で伝わります。
商品やサービスの特徴だけでなく、ブランド全体として何を目指し、どんな価値を提供しているのかが明確に整理されており、それがビジュアルや言葉を通して一貫して表現されています。
コンセプトが不明瞭なブランドは、顧客の記憶に残りにくく、選ばれる理由が曖昧になります。逆に、ビジュアル・メッセージ・体験のすべてが同じ方向を向いているブランドは、認知された瞬間に「らしさ」が伝わり、想起・選択の確率が高まります。
【因子②】感性や情緒に訴求している
機能やスペックだけで選ばれる時代は終わりつつあります。
現代のブランドに求められるのは、使うことでどんな気持ちになるのか、どんな理想の状態に近づけるのかという「情緒的な価値」です。
例えば、デザインにこだわったパッケージや、ブランドストーリーに共感を呼ぶ言葉。
これらは直接的な機能ではないかもしれませんが、購入時や利用時に「これを選んでよかった」と感じさせる力があります。感性に訴えかける設計があるからこそ、ブランドは記憶に残り、選ばれ続けるのです。
【因子③】独自性がある
他のブランドと比較されたときに、「自社でなければならない理由」を持っているかどうか。
それがブランドの独自性です。これは決して奇をてらった違いではなく、ターゲットにとって意味のある違いであることが重要です。
独自性が明確なブランドは、顧客にとって「代替のきかない存在」となります。競合と同じ土俵で価格や機能を争うのではなく、自分たちならではの視点や世界観、体験価値を伝えることで、市場の中で唯一無二のポジションを確立できます。
【因子④】クチコミやパブリシティが自然と生まれる
強いブランドは、広告だけでなく、ユーザーやメディアからの自発的な発信によって拡がります。
SNSでの共有、メディア掲載、レビューサイトでの高評価など、第三者による発信はブランドの信頼性を高め、選ばれる理由にもなります。
これは、ブランド体験が共感されやすく、語りたくなる要素を持っているからこそ起こる現象です。ターゲットの心に響くメッセージや、印象的な体験を提供することで、自然発生的な情報拡散が生まれ、ブランドの想起機会をさらに増やすことができます。
ブランディングを高めるための実践ステップ
すでに一定のブランドを持つ企業が、さらなる成長や競争優位を目指すとき、「ブランディングの強化」が求められます。
ここでは、既存ブランドを見直し、選ばれる確率を高めるための4つの実践ステップをご紹介します。
【Step 1】現状のブランド資産を棚卸し、認知とのギャップを明らかにする
まず重要なのは、いま顧客にどのようにブランドが認識されているのかを客観的に把握することです。
企業側が伝えたい価値と、顧客が実際に感じているイメージにギャップがある場合、それがブランドの弱点となります。
ロゴやスローガンだけでなく、広告表現や商品体験、口コミなど、すべての接点を洗い出し、「自社らしさが伝わっているか」「一貫性があるか」を評価することで、強化すべきポイントが明確になります。
【Step 2】ブランドが想起されている生活シーンを特定し、CEPを拡張する
ブランディングの強化には、顧客の記憶に残る場面を増やすことが有効です。
そこで活用できるのが、CEP(カテゴリ・エントリーポイント)の考え方です。
現在、どのような場面で自社ブランドが思い出され、選ばれているのかを分析した上で、「本来つながれるはずの場面(=未活用のCEP)」を見つけていきます。
生活シーンや感情的な状況ごとに新しい接点を設計することで、ブランドの想起機会を増やし、選ばれる確率を高めていきます。
■あわせて読む
『カテゴリーエントリーポイント(CEP)とは?ブランドが“想起される仕組み”をつくるマーケティング戦略を解説』
【Step 3】第一想起に入るための「記憶の仕組み」を再設計する
競合と並べて比較される前に、「あのブランドにしよう」と思い出してもらえる状態をつくることが重要です。そのためには、ブランドの名前・ビジュアル・言葉・体験を通じて、記憶に残る要素を再設計する必要があります。
具体的には、広告やコンテンツで繰り返し同じメッセージを発信したり、視覚的な一貫性を保つことで、ブランドの“想起のトリガー”を強化します。記憶に残るブランドは、選ばれるブランドです。
【Step 4】ズレた体験を修正し、ブランドらしさを一貫させる
ブランドに対する期待値と、実際の体験にズレがあると、顧客は違和感を覚え、リピートや紹介につながりにくくなります。
たとえば、「高品質な印象を与える広告」と「実際に受けたサービスの粗さ」が一致しなければ、ブランディングは機能しません。
そこで、顧客体験全体を見直し、ブランドの世界観や価値観がすべての接点で伝わるように再設計します。小さな接点の積み重ねが、ブランドへの信頼と愛着を育てていくのです。
※ブランディング戦略とは何なのか、あらためて理解を深めたい方はこちらの記事もあわせてご覧ください。
『ブランディング戦略とは?市場調査から実行までのステップを解説』
『ブランディング戦略のフレームワーク|成功するブランドのための必須ツール』
まとめ|「記憶に残るブランド」を戦略的に築こう
競争が激化し、選択肢が溢れる時代において、ブランドの強さは単なる認知の広さではなく、「思い出されるかどうか」によって決まります。
顧客が何かを選ぶ瞬間に、真っ先に頭に浮かぶブランドになれるかどうか。それが、選ばれるブランドとそうでないブランドを分ける決定的な違いです。
ブランドを高めるには、まず現状の認知や印象を正しく把握し、記憶に残る仕組みを意図的に設計していくことが重要です。
生活者の行動文脈を読み解き、想起されるタイミングを増やすことで、第一想起のポジションを築く。さらに、すべての接点でブランドらしさを一貫して届けることで、信頼と愛着が生まれます。
ブランディングは感覚ではなく、戦略です。今こそ、自社ブランドのあり方を見直し、「記憶に残る存在」へと進化させるタイミングかもしれません。
弊社Oz link(株式会社オズ・リンク)では、「ブランドを高めたい」という企業様向けに、無料相談を承っております。
■「現在のブランドが顧客にどう認識されているのか知りたい」
■「選ばれるブランドにするために、何を強化すべきか見極めたい」
■「感覚ではなく、戦略的にブランディングを進めたい」
そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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『【2025年版】ブランディング会社ならOz link|競争優位性を確立するための最適支援』
『ブランディングとは何をすること?意味・目的・やり方・成功事例まで徹底解説』
『【2025年版】デジタルマーケティングコンサルならOz link|戦略設計から実行・改善まで一気通貫で支援』
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『【5STEP】ブランディングの方法とは?種類・メリット・成功ステップを徹底解説』
『Webブランディングとは?成功するための戦略と実践事例』
『インサイトとは?マーケティング戦略における活用方法とその重要性』
『自社ブランドを成功に導くには?仕組みと構築ステップ・成功事例を紹介』
About meこの記事を書いた人
Oz link 編集部
顧客起点の科学的マーケティングを一気通貫で支援し、企業の持続的な成長を実現するマーケティングコンサルティング・採用コンサルティング企業「株式会社Oz link(オズ・リンク)」。ブランディングやマーケティング全般、プロモーションや営業活動、人材採用/インターンシップ設計における課題解決をサポートします。まずはお気軽にご相談ください。
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