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新卒採用が難しいと感じる採用担当者へ|原因と具体的な5つの対策

新卒採用が難しいと感じる採用担当者へ|「原因」と具体的な5つの「対策」

かつては「とりあえず採用広報を始めれば、ある程度の応募が集まる」とされていた新卒採用。

しかし現在では、多くの企業が「思ったように求職者が集まらない」「内定を出しても辞退される」といった悩みを抱えています。特に中小・ベンチャー企業にとっては、採用競争の激化や就活の早期化により、難易度が年々高まっているのが現実です。

本記事では、新卒採用が「なぜこれほど難しくなったのか」という背景を明らかにしたうえで、具体的にどのような戦略・対策が有効なのかを解説します。

特に、中小企業の採用担当者経営者の方にとって、今後の採用活動のヒントとなる内容をお届けします。

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新卒採用が難しいとされる5つの理由

新卒採用が難しいとされる5つの理由

新卒採用が難しくなっていると感じる企業は少なくありません。その背景には、時代の変化に伴う学生側の意識の変化や、企業側のリソース不足、競争環境の激化など、複数の要因が重なっています。

以下では、採用活動において企業が直面しがちな代表的な課題を5つに整理して解説します。

理由①:求職者の志向が多様化し、マッチングが難しくなっている

一昔前と比べて、学生の就職に対する価値観は大きく変化しています。

安定を重視する求職者がいる一方で、裁量や成長環境を求める求職者も増えており、企業が伝えるべき情報や打ち出すべき魅力が以前よりも複雑になっているのです。

そのため、「どんな学生に刺さるメッセージなのか」が不明確なまま採用を進めると、ミスマッチや志望度の低下を招いてしまう可能性があります。

理由②:採用活動の早期化による準備不足

近年では、大学3年生の夏からインターンシップを実施するのが一般的になり、学生の就職活動はどんどん前倒しになっています。早期に動き出せない企業は、優秀層との接点を持つ前に他社で内定が出てしまい、選考すらできない状況に陥ることもあるのです。

特に専任担当者がいない中小・ベンチャー企業では、この「スピードの壁」が大きなハードルとなっています。

理由③:競合他社との差別化が困難

会社説明会やインターン、採用ページなど、求職者との接点において差別化を図るのは簡単ではありません。

多くの企業が「やりがい」「成長」「アットホームな社風」といった類似内容を訴求している中で、自社ならではの魅力が伝わらず、埋もれてしまうケースが少なくありません。

言い換えると、「どの企業も同じに見える」と感じられてしまうのです。

理由④:内定辞退のリスクが高まり続けている

やっとの思いで内定を出した内定者に辞退されてしまうという悩みも深刻です。

特に、大手企業やブランド力のある企業に比べて情報量が少ない中小・ベンチャー企業では、「この会社で本当に良いのか?」という不安を払拭しきれずに辞退につながるケースが多く見られます。

動機形成が不十分なまま内定を出してしまうと、その後のフォローでは手遅れになることもあります。

理由⑤:リソース・ナレッジ不足で採用活動が属人化しがち

「採用チームがない」「他業務と兼務している」など、採用に割けるリソースが限られている企業も少なくありません。

その結果、採用活動が場当たり的になり、属人的なノウハウのみに頼った設計になってしまう傾向があります。これでは改善や再現が難しく、継続的な成功を生み出すのが困難になります。

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中小企業の採用成功のポイントとは?限られたリソースで理想の人材を確保する方法
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新卒採用の難しさを乗り越えるための具体的な対策5選

新卒採用の難しさを乗り越えるための具体的な対策5選

新卒採用を成功させるには、「誰に・何を・どのように」伝えるかという設計が重要です。

弊社Oz link(株式会社オズ・リンク)でもこの視点に基づいて戦略を立て、成果に繋げてきました。

以下では、どの企業でも実践可能な 5つの基本対策 を具体的にご紹介します。

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①求める人物像を明確にし、採用要件を整理する

採用の出発点は、「どんな人材を採るべきか」の定義です。

この点が曖昧なままでは、選考が感覚的になり、社内での評価のバラつきやミスマッチ採用につながるリスクがあります。

具体的には以下の手順で設計していくと効果的です。

■採用ターゲットを明文化
└ 価値観・能力・キャリア志向など多面的に洗い出す

■選考段階での評価基準を統一
└ 面接官ごとに判断がブレないように、質問項目・評価ポイントを設計

■現場と人事のすり合わせを徹底
└ 採用後の活躍を前提に、配属先とペルソナ像を共有しておく

明確な人物像があれば、「採るべき人材」と「辞退されやすい人材」の違いも分析できるようになり、採用活動全体の精度が格段に上がります。

②自社ならではの魅力を言語化する

選ばれる企業になるためには、 自社の魅力(バリュープロポジション=企業が顧客に提供する独自の価値)を伝える設計 が不可欠です。

ただし、「魅力があるかどうか」ではなく「伝わるかどうか」が重要なポイントです。

魅力を言語化する際のポイントは以下のとおりです。

■求職者が魅力を感じやすい4つの観点で棚卸し
└ 「目標の魅力」「活動の魅力」「風土の魅力」「特権の魅力」

■抽象的な言葉を避け、具体的なエピソードで伝える
└ 社員の成長体験や実績、制度の運用例など

■ターゲットによって伝え方を調整
└ 例えば、成長志向の求職者には「任される環境」、安定志向の求職者には「明確なキャリアパス」

伝え方の設計が曖昧だと、他社との違いが見えにくくなり、求職者の志望度は上がりません。

③採用スケジュールと接点設計を前倒しにする

現在の就活市場では、 3年生の夏インターンで意思決定が始まり、秋には志望先が固まっている 学生も多く存在します。

媒体解禁(3月)以降に本格的に動き出すのでは、優秀層との接点が遅れる可能性があります。

対応策としては、以下のようなスケジューリングが有効です。

■4~5月:採用戦略の設計と採用要件の整理
■6~8月:インターンの設計・実施
■9~12月:社員面談・座談会を通じた継続的接点
■翌年1月~:本選考スタート(接点のある求職者は短期化も可能)

また、 早期接点=早期選考ではなく、関係構築が目的 である点も重要です。接点の設計には、動機形成・フィードバック機会・選考導線の設計まで含めて検討しましょう。

④選考プロセス全体をジャーニーとして設計する

選考プロセスは、「評価の場」であると同時に、「動機形成のプロセス」でもあります。

一貫したシナリオで接点を設計することで、求職者の志望度を徐々に高めていくことができます。

設計のポイントは以下のとおりです。

■初期接点:会社説明会・インターン
∟感情的魅力(ワクワク感・雰囲気)を伝える

■中盤:面接・面談
∟ロジカルな納得感(仕事内容・キャリア像)を醸成

■終盤:最終面接・クロージング
∟信頼・将来性の訴求(社員との関係性や経営メッセージ)

このように、「段階ごとに伝えるべき情報」を明確にし、求職者が意思決定に至るまでの心理変化に寄り添ったプロセスを組むことで、辞退防止にもつながります。

⑤PDCAで採用活動を改善し続ける仕組みをつくる

採用は「仕組み」で改善できます。一度うまくいったやり方に固執せず、毎年の成果や課題を見直して、戦略をアップデートすることが再現性を高めるポイントです。

改善のための基本サイクルは以下のとおりです。

■Plan(計画):理想人材像・KPI設計・選考スケジュールの整理
■Do(実行):インターン、会社説明会、面接などの施策を実施
■Check(評価):応募数・通過率・辞退理由・面談内容などをデータ化
■Action(改善):次年度に向けた設計の見直し・施策の再優先順位化

また、数値データだけでなく、求職者の声や面接官の所感を収集する仕組みを整えることで、より本質的な改善案が見えてきます。

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【FAQ】新卒採用に悩む企業がよく抱く質問

【FAQ】新卒採用に悩む企業がよく抱く質問

新卒採用に関しては、企業規模や業界を問わず共通する悩みや疑問が数多くあります。そこで以下では、現場でよく聞かれる代表的な質問と、その解説をまとめました。

初めての新卒採用に取り組む企業にも、これから採用活動を見直そうとしている企業にも役立つ内容です。

Q1:知名度のない企業でも新卒採用は可能ですか?

新卒採用は可能です!

重要なのは、どのような求職者に向けて、どんな魅力を伝えるかを明確にすること。たとえ知名度がなくても、求職者の価値観や就活軸に合致する訴求ができれば、十分に選ばれる存在になれます。

特に、以下のようなポイントを意識することが効果的です。

■ターゲットになる求職者のペルソナを設計する
■企業の魅力を具体的なストーリーで伝える
■早期から接点を持ち、関係構築を図る

「大手にはない魅力」が明確であれば、ブランド力に頼らない採用は十分に実現可能です。

Q2:インターンや会社説明会の設計経験がありません。どこから始めればいいですか?

まずは採用戦略の設計から始めましょう。

いきなりイベントを企画するのではなく、「誰に何を伝えるべきか」を明確にしてから企画を設計することで、効果的な接点づくりが可能になります。

スタート地点としては以下のような流れが一般的です。

■採用ターゲット(人物像)の設定
■求職者に伝えたい自社の魅力の整理
■どのタイミングで接点を持つべきかスケジュールを設定
■体験を通して何を得てもらいたいか、インターン・会社説明会の目的を明確化

設計を終えた上で、インターンシップや社員座談会、業務体験型プログラムなど、目的に応じた企画を設計すると効果的です。

Q3:採用担当が兼務で、十分なリソースを割けません。

まずは最小限のリソースで始められる仕組みを設計することが大切です。

中小・ベンチャー企業では専任の採用担当者を置けないケースも多いため、効率性と再現性を意識した仕組みづくりが重要です。

以下のような工夫が有効です。

■過去のやり取りや資料をテンプレート化
■面接官の教育を標準化し、属人性を排除
■オンライン説明会やWeb面談の活用で工数を削減
■外部リソース(採用代行、ツール)の活用を検討

すべてを内製化しようとせず、戦略的に“リソースをかけるところ・抑えるところ”を見極めることが、少人数でも成果を上げる鍵です。

Q4:内定辞退を防ぐにはどうすればいいですか?

選考段階から一貫した動機形成と関係構築が必要です。

辞退の多くは「企業理解の不足」や「不安の放置」に起因します。内定を出した後にフォローするだけではなく、選考中から志望度を高めていく設計が求められます。

ポイントは以下の3つです。

■初期段階でしっかり共感を得る
└ 企業理念やカルチャーを言語化し、社員の実例で伝える

■選考中に一人ひとりと向き合う設計
└ 面接だけでなく、社員面談や個別のコミュニケーション機会を用意

■内定後は「不安を解消する場」をつくる
└ 承諾面談・懇親会・内定者向けQ&Aなど、継続的な接点設計が効果的

最終的に大切なのは、「この企業でなら、自分が納得して働けそうだ」という感覚を、選考の流れの中でしっかり形成していくことです。

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まとめ|「難しい採用」に共通する課題は、戦略で乗り越えられる

「難しい採用」に共通する課題は、戦略で乗り越えられる

新卒採用は、年々難易度が増していると感じられるテーマです。

しかしその背景には、求職者の志向の多様化、採用市場の変化、そして情報過多による意思決定の複雑化といった、構造的な要因があります。だからこそ、これまでの経験則や感覚に頼るのではなく、明確な戦略と設計が求められています。

どんな人物を採用すべきかを定め、他社と差別化できる魅力を整理し、それをどのタイミングでどのように伝えるかを設計する――これら一連のプロセスを仕組み化できれば、企業規模や知名度にかかわらず、新卒採用の成果を安定して出すことは十分に可能です。

また、1年ごとの単発で考えるのではなく、毎年のデータや反応をもとにPDCAを回していくことで、再現性のある採用力が組織に蓄積されていきます。

採用は、単なる人員確保ではなく、未来の組織をつくるための投資です。今こそ、課題を正しく認識し、構造的な打ち手を講じることで、「難しい採用」を「成果につながる採用」へと転換していきましょう。

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▽ なんとなくの採用から脱却し、「成果につながる採用戦略」を始めませんか?

「毎年やってはいるけど、うまくいっている実感がない」「結局、求職者の志望度が上がらず辞退されてしまう」「採用計画が場当たり的になってしまう」――そんな悩みを抱えていませんか?

もし少しでも心当たりがあるようでしたら、今こそ採用活動を“戦略”から見直すタイミングです。

求める人材の設計から、魅力の言語化、接点づくり、プロセス設計、改善まで、採用を仕組みとして整えることで、結果は着実に変わります。

弊社Oz link(株式会社オズ・リンク)では、経営戦略と連動した採用戦略の設計を通じて、成果につながる新卒採用を支援しています。

ご相談は無料で承っております。採用方針の整理や戦略設計の初期段階から丁寧に支援いたします。まずは貴社の現状や課題をお聞かせください。貴社にとって最適な一歩を、共に設計させていただきます。

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デジタル戦略を中心にクライアントを成功へ導くマーケティングコンサルティングエージェンシー株式会社Oz link(オズ・リンク)。顧客起点の科学的マーケティングを一気通貫で支援することで、企業の持続的な成長を実現します。ブランディングやマーケティング全般、プロモーションや営業活動における課題解決をサポートします。まずはお気軽にご相談ください。

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